乾留竹について of kanryuchiku

乾留竹の故郷庄内

山形県庄内地方鶴岡市

山形県の庄内地方鶴岡市は、東北の地においの孟宗竹の産地としても知られ、この地において古くから竹による食材、炭や工芸品などの竹製品がつくられ親しまれています。また、庄内藩が推奨した磯釣りにより苦竹などを使用した庄内竿が大変有名です。何年もの時間を費やし出来上がる一本の名竿は釣人のみならずその色艶の美しさや匠の業物にみとれてしまいます。
そんな竹にゆかりの深いこの地で竹に魅せられた人がさらなる竹の魅力を引き出して生まれた製品の一つが「乾留竹」です。

乾留竹の生い立ち

庄内地方は、寒さ厳しい土地柄ながら孟宗竹が生育する北限として昔から竹と人とのかかわりがあったようです。農閑期から竹を切り、竹炭つくりや雪囲いや竹垣などの材料さまざまな雑貨の類の材料として使われていました。農業さかんな土地で竹に接した人はたくさんいたとおもいます。
竹を利用してきた人たちのことを想像すると、例えば、きれいな切りたての青竹を花器などに使用したとします。しかし、青竹はナマモノですからどんどん色褪せカビが発生し割れてしまいます。そんな中、竹炭を焼く職人さんが出来損ないの竹炭を手に取りそれを磨くと肌艶のすばらしい大変きれいな工芸的存在感を持つ竹に生まれ変わりました。その偶然の産物は他には二つとない花器として重宝したことでしょう。また、古民家では囲炉裏の上部に竹を組み何年のもの歳月、火を焚き生活してきました。そして、古民家が解体されてくるのと同時に組まれていた竹がすばらしい赤褐色の光沢を放つ煤竹です。これら古人の生活文化の中からでてきた産物は、大変貴重なものとして茶の世界や、建築美や工芸の一部世界で扱われています。そんなすばらしい日本の生活文化の産物に庄内の乾留竹の開発者が着眼し、専門に作ろうと考えたのが乾留により竹を燻し上げていく発想でした。

乾留竹製法

竹を燻しあげるための乾留竹専用窯は、山形県の名峰蔵王の北山麓の山里深くにあります。専用窯は約6m×2mの大きさで孟宗竹の太さですと一度に40本程度入ります。この窯で、竹を200℃前後で2時間から4時間燻していきます。竹は、節と節で密閉された筒が重なる植物ですから、通常一気に炙ったりすれば割れてしまします。乾留製法は、高温でもこの竹がなるべく割れないようにじっくり燻しいきます。
窯の温度が自然に冷めた翌日、窯の中に燻上がった竹が元の色とはすっかり変わった煤だらけででてきます。この段階で、竹の水分が蒸発し、油がしみだし、糖分は炭化寸前で固まり竹は、10倍近い剛性を持つ乾留竹に生まれ変わっています。
非常に苦労するのが最後の仕上げ磨き上げです。煤状態の竹を、専用磨き機で一本一本丁寧に磨き上げていきます。直径8cm、2mくらいの竹ですと一本を磨くのに約15分時間がかかってしまします。しかし、煤だらけの竹の表情が一気につやつやしたきれいな表情に変わります。しかもこれらの竹一本一本は唯一無二の形と色合いをもっているので作り手はちょっと感動してしまいます。

乾留竹の特徴

乾留竹は、前述のように天然の竹を人の手で燻し上げて磨き上げる、着色塗装などは一切しない本物の自然素材です。自然製法で生まれる竹は、青竹を乾留したものであれば、黒褐色や茶褐色の独特の風合いを、晒竹を乾留したものであれば、貴重な煤竹の赤褐色の色彩に生まれ変わります。
しかも、剛性が高く、室内用では色褪せしにくい建材です。
出来上がった乾留竹は、床面・壁面をはじめ、間接照明や様々なポイントの空間デザインにご利用いただけます。これまでに内装用の本物の竹材の高コストに比較するとリーズナブルなものとしてご提案でき、斬新な竹空間のデザインもバックアップ可能です。
先人の知恵から生み出された日本の美しい産物からヒントを得て生まれた乾留竹は、日本美をベースに空間デザインする本物志向の方々にご提案いたします。