

乾留竹(かんりゅうちく)の故郷庄内
山形県庄内地方鶴岡市
山形県の庄内地方鶴岡市は、東北地方の孟宗竹(もうそうちく)の産地としても知られ、この地では古くから竹による食材、炭や工芸品などの竹製品がつくられ親しまれています。また、庄内藩が18世紀に武士道として推奨した磯釣りにより、苦竹などを使用した庄内竿(しょうないざお)が大変有名です。何年もの時間を費やし出来上がる一本の名竿は釣人のみならずその色艶の美しさや匠の業物にみとれてしまいます。
そんな竹にゆかりの深いこの地で竹に魅せられた人がさらなる竹の魅力を引き出して生まれた製品が竹材、「乾留竹」です。
乾留竹の生い立ち
庄内地方は、寒さ厳しい土地柄ながら孟宗竹が生育する北限で、昔から竹と人とのかかわりがありました。人々は農閑期から竹を切り、竹炭つくりや雪囲いや竹垣、またさまざまな雑貨の類の材料として竹材を使用してきました。この農業さかんな土地で竹に接した人はたくさんいたと思います。
こうした日々の生活の中から乾留竹は偶然に生まれたのです。きれいな切りたての青竹を花器などに使用したとします。しかし、青竹はナマモノですからどんどん色褪せカビが発生し割れてしまいます。そんな中、竹炭を焼く職人さんが出来損ないの竹炭を手に取りそれを磨くと肌艶のすばらしい工芸的存在感を持つ竹材に生まれ変わりました。その偶然の産物は他には二つとない花器として重宝しました。また、古民家では囲炉裏の上部に竹を組み何年のもの歳月火を焚き生活してきました。そして、古民家が解体されると同時に組まれていた竹がすばらしい赤褐色の光沢を放つ銘竹材、煤竹(すすだけ)となったのです。
これら古人の生活文化の中から偶然に生まれた乾留竹は、大変貴重なものとして茶の世界や、建築美や工芸の一部世界で扱われていましたが、そこに着眼した開発者が竹材として専門的に乾留竹の生産を始めました。

乾留竹製法
竹を燻しあげるための乾留竹専用窯(かま)は、山形県の名峰蔵王の北山麓の山里深くに設置されています。その大きさは約6m×2mで孟宗竹の太さですと一度に40本程度入ります。この窯で、竹を200℃前後で2時間から4時間燻していきます。竹は、節と節で密閉された筒が重なる植物ですから、通常一気にあぶったりすれば割れてしまします。高温でもこの竹がなるべく割れないようにじっくり燻(いぶ)していきます。
窯の温度が自然に冷めた翌日、窯の中に燻し上がった竹が元の色とはすっかり変わった煤(すす)だらけででてきます。この段階で、竹の水分が蒸発し、油がしみだし、糖分は炭化寸前で固まり 竹は、10倍近い剛性を持つ竹材、乾留竹に生まれ変わります。
非常に苦労するのが仕上げの磨き上げです。煤だらけの竹を、専用磨き機で一本一本丁寧に磨き上げていきます。直径8cm、2mくらいの竹ですと一本を磨くのに約15分時間もかかってしましますが、煤だらけの竹の表情が一気につやつやしたきれいな表情に変わり、しかもこれらの竹一本一本は唯一無二の形と色合いをもっているので 作り手はちょっと感動してしまいます。

乾留竹の特徴
乾留竹は、前述のように着色塗装などは一切しない本物の自然素材の竹材です。自然製法で生まれる竹材は、青竹を乾留したものであれば、黒褐色や茶褐色の独特の風合いを、晒竹を乾留したものであれば、貴重な煤竹(すすだけ)の赤褐色の色彩に生まれ変わります。しかも、剛性が高く、室内用では色褪せしにくい建材です。
出来上がった乾留竹材は、床面・壁面をはじめ、間接照明や様々なポイントの空間デザインにご利用いただけます。これまでの内装用の高価な竹材のコストに比較すると大変お求め安くなっており、斬新な竹空間のデザイン例もご紹介しております。日本的な空間美を追求する本物志向の方へお届けいたします。




